この着物の歴史を想像するのが面白くてたまらない☆
以下、わたしの考察。
こちらの留袖ですがよく見る留袖とは違う点がいくつかあります。
①比翼なし
②紅絹裏(もみ)※裏地が赤い
③袘(ふき)※裾
④柄八掛
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⑤袖裏は白
⑥金駒刺繍を外した跡あり
①比翼なし
近年の留袖は重ねて着ている様に見せる比翼仕立てが多いがこの着物にはない。比翼なしのものは古いものに多いのかなと、推測してみる。
②紅絹裏(もみ)※裏地が赤い
諸説あるが魔除けと言われていて紅花で染めてある。古い着物を見分ける時の特徴のひとつ。
③袘(ふき)※裾
裾に綿が入っていたり、生地が折り返してあったりするもの。婚礼衣装など。
④柄八掛
紅絹と同様に、古い着物の特徴。裾引きの黒の婚礼衣装として使った後、袖を短くして留袖に。留袖の語源。柄は裾引きではなくおしゃれのためとの説もあり。
この④までがおそらく、最初に施されたもので⑤と⑥は後のお手入れや保存手段なのではないかと推測。
⑤袖裏は白
比較的新しめの絹の裏地なので、最初は紅絹だったものを交換したのではないかなと思う。(古く見せないため?着るための工夫のひとつとして)
⑥金駒刺繍を外した跡あり
花のまわりなどは綺麗に残っている部分もあるが、おそらく朽ちてきた部分はそのままにせず、なおす訳でもなく、外したのではないかなと思う。
袖の紅絹と金駒刺繍がないのは少し残念だけど束ね熨斗が最高だから見劣りしていません。丸帯と一緒に着てみたい留袖です。
この様に、一枚一枚着物の歴史があり、その時の当事者の想いなどを推測することが私の楽しみのひとつです。
受け止め方も人それぞれ。だから私以外の人が見ればまた違う見立てがあると思います。
受け取る人によって、また新しい歴史が生まれますし、運命って勝手に流れるものではなくて自分で決めて積み重ねてゆくことをいうんだなと、改めて感じました。
今ここに手にとることが出来るのも、本当に一期一会ですから、大事にしたいと思います。
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