はごろもランジェリー店主治代(haruyo)の日記

ハンドメイドのリラックスランジェリーと着物と自然と生活

紅絹(もみ)についての考察

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今では希少になってきたからこその

名前がついている

「アンティーク着物」

 

要は古い古い着物のことなのですが

いくつか特徴があります。

 

柔らかで軽かったり

昔の人は小柄だったからか

今の着物よりずっと小さい。

 

そして

袖口や裾に綿が入っている「袘(ふき)」

裏地が赤く紅花で染められた「紅絹(もみ)」

 

この2つは

明治、大正から昭和初期あたりまでの

正装で着る着物の大まかな特徴です。

 

私がそんな特徴のある着物を

初めて見かけたのは

田舎の祖母のものでした。

 

着物は、母の年代のものや

祖母たちが今の私くらいの年のもの

晩年の曽祖母のものだって

充分年月が経っていますが

 

中でも祖母が娘だった頃の着物は

見た目も質感も仕立て方も

違って見えました。

 

着物をよく着始めたからこそ

気づいたことだと思うので

重い腰を上げて

長年の夢を叶えて良かったなぁと

思い返す今でも思います。

 

今では本当にごくたまにしか見かけない着物。

 

着物を着ていると譲り受ける着物も

多くなりますし

相談もよく受けていますが

アンティーク着物は少ないです。

 

その着物がある場所と言えば

代々同じ場所に住まわれていて

蔵がある様な

時代劇に出てくる様なお宅だとか

そういうイメージをしてもらうと

わかりやすいかなと思います。

 

滅多にないから。

ただそれだけでなく

独特の感じ。それに惹かれて、、

 

私は出逢ってからずーっと

色んな考察をしています。

 

残っていないのは

時代の流れだけでなく

戦争という大きな出来事を挟んで

激動を乗り越えてきた

 

戦前戦後という言葉がある様に

つまりは価値観や生活環境が

がらりと変わった境界線

 

私が魅力を感じるのは

曽祖母が生まれた頃の

明治、大正あたりから

 

祖母が若い頃くらいまでの

いわゆる戦前までの着物なんだと思います。

 

実用性や生産性を優先したから

廃れていったものたち。

 

そして

今の時代にも僅かに残るものたちが

放つオーラにとても惹かれます。

 

胴裏が赤い着物は「古い」という

目印にもなっていますが

この赤い胴裏には名前があって

紅絹裏(紅裏)」と言います。

 

これねー私

一時期避けてたんです。

 

当時は今より規制が緩く

化学染料だと耳にしたことがあって。

 

確かに

「古布のにおいは独特」だし

「不気味な程に赤い」し

「色移りする」だろうし。

 

でも、なんだろう

この柔らかで優しく包む感じ。

 

そして

なんて粋なんでしょう

見えないであろう裏地に手間や

鮮やかな色を選ぶこの感性。

 

この赤色は「魔除け」の意味があったそう。

 

そして

鮮やかで美しい赤色は

うこんで下染めしたものに

べにばなを重ねて染めていたという。

 

その後化学染料になったのは

確かに事実だそうですし

今の時代にこの紅絹が残っているのは

その後期にあたるものが

多いだろうという推測も

安易に出来るとは思います。

 

だから

私が最初に見聞きした判断は

間違ってはいないのかもしれません。

 

でも、その中には幾つか

「ホンモノ」の紅絹があるのも

事実だと思います。

 

紅絹は廃れていきましたが後期にも

最後まで紅花で染色されている方が

いらしたそうです。

 

見分け方もある様ですが

実際には素人目ではわからないし

わかる人も少なくなっていることでしょう。

 

身体に良いのか悪いのかも

「どうすれば」悪いのか考えたら

ただ着るだけで悪くなる様には

私は思えないのですがどうでしょうか。

 

それよりも

私は「惹かれる気持ち」の方を

大事にしたいなと思います。


 

 

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